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2008年9月22日 (月)

今月のヘッジファンド

日曜日の日経ヴェリタスも数面を割いてCDSの特集を組んでいましたが、この度のイベントでCDSという言葉がすっかり市民権を得たような気がします。もともとリスクヘッジというpassiveな目的のために作られたCDSがactiveに取引され、皆が知らないうちに細部にまでリスクが広がっていたというのは皮肉なものです。

さて、今月のヘッジファンドですが過去最悪のパフォーマンスではないでしょうか。直近2日間で株式市場が反発しているため、ロング&ショート戦略を中心に若干戻しているかもしれませんが、合併スプレッドは拡大し、CBのマーケットは薄くあまり取引が成立していないようです。HFRX指数を見ると今月18日までで既に4.9%のマイナスです。ある一部のヘッジファンドを除いて、リーマンやAIGへのエクスポージャーそのものが大きくパフォーマンスに影響を及ぼしているところは少ないのではないでしょうか。むしろ、上記の通り、この度の混乱により合併スプレッドが拡大したり、CB市場の出来高が急激に減ったりとしていることの方がインパクトが大きいと思います。CB Arb戦略は統計的手法を用いて売買するため、多くのヘッジファンドのポジション・ベクトルが同じになります。そのため、我慢比べが暫く続きそうです。2004年みたいにならなければ良いのですが・・・。

唯一プラスの成績を残しているのはマクロ・CTA戦略ではないでしょうか。株式ショート、商品ショート、ドルショートがプラス寄与しているようですが、市場が乱高下しているのでこれも月末が来るまで分かりません。いずれにしても今月もヘッジファンドにとって苦しい状況が続きそうです。

また、今後の注目点としては中小のヘッジファンドですね。この度の混乱でプライム・ブローカーの数が一気に減ってしまいました。GS、モルスタといった大手が手数料を上げれば中小のヘッジファンドにとっては深刻な問題となります。淘汰が進むか注目したいです。しかしながら、淘汰が進み過当競争がなくなれば、アービトラージ戦略の参加者にとっては収益機会が増えるのかもしれません。

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