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2007年3月 5日 (月)

REIT投資への誤解

現在のREIT市場は実勢を超えた評価がなされていると思う。市場でついている価格が全てだと言われればそれまでだが、何か違うような気がする。いろいろと考えてみたが、基本的にはREIT投資への誤解があるように思う。

まず、1つ目の誤解は、REITは伝統的資産に対してオルタナティブ資産として考えられているが、実は必ずしもそうではないということである。長期的に見ると株式市場との相関は高くないが、株式の下落局面では相関性が高いのである。例えば、米国で見ると原油価格が下落すれば、石油業界に依存している地域の不動産価格は下落する傾向がある。また、景気動向に左右される業界(例えば、ホテル業界)の不動産価格は、経済全体が縮小傾向に向かえば、一気に低下する。現在様々なREITが組成されているが、ホテル特化型REIT等は、景気減速の直撃を受けるREITであろう。

次に、銀行からノン・リコース・ローンという形で融資を受けているため、ある程度銀行によってデュー・ディリジェンスが働いているので大丈夫という人がいるように思う。最近の銀行は、言っては悪いがあまりデュー・ディリジェンスを行っていないように思う。銀行はそもそもノン・リコース・ローンで貸し出しは行っているが、これはフィー獲得(貸し出し増加)のためであり、すぐさまそのローンをパッケージ化してCMBS等で第3者に売却している。銀行にとっては、フィーを稼げるし、リスクをとらなくて良いので、格好のビジネスモデルとなっている。

実際のデュー・ディリジェンスを行っているのはREIT組成者や、私募の場合であれば投資するヘッジファンドなどだ。しかし、組成者はフィーをとりたいので、デュー・ディリジェンスを行う立場としてはやや疑問が残る。唯一デュー・ディリジェンスを行っているがREITを購入しているヘッジファンドだ。彼らはパフォーマンス・フィーによって生計を立てているので、一応のデュー・ディリジェンスは行っている。この度の株価下落でREITも共倒れすることがないことを祈っている。

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コメント

GIFTさん、コメントありがとうございます。逆イールドということは、ご存知のように、単純に考えるとローンの方が儲けよりも多いということなので、不動産価格の上昇にベットしているといえます。これは長期投資を始める時期としては、う~んという感じです。世界的に金余りの中、投資先に困った人たちが流入してきた結果イールドギャップがマイナスになったのだと思います。ただ、REITがオルタナではないというのにはちょっと反対です。確かにおっしゃるとおりの面もありますが私募REITはまだ安定しております。要は物次第です。当たり前ですが・・・。

投稿: alternativetimes | 2007年3月 7日 (水) 23時11分

はじめまして。現在の米国のREITの利回り水準は妥当でしょうか?長期債とのイールドギャップがマイナスというのは将来的な地価上昇、賃料収入の増加を見込んだものと考えています。REITがオルタナではなく株との相関が高いのは今回の株式下落で体感しました。

投稿: GIFT | 2007年3月 7日 (水) 21時17分

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