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2007年1月26日 (金)

原油価格下落と資金シフト

昨日よしみつさんから「なぜ原油価格は下落したのか?」「資金シフトが起こっているのか?」という質問を頂いたので、今日はこれついて書いてみたいと思う。ただし、人によって意見は異なるので色々な人の意見を比較して欲しい。

まず、原油価格の下落だが、今回の一番の要因は新聞にもあるように米北東部の暖冬による。しかし、最近はマーケットが注目されており、市場参加者に変化がある。つまり、長期投資家(商品指数連動型商品への投資)とスペキュレーターが多く入ってきているということだ。

今回の下落は、以前にも書いた通り58㌦~59㌦、54㌦~55㌦にスペキュレーターのストップロスやオプションの行使価格があったため価格下落を助長した。そのため、一気に50㌦近辺まで下落したのだ。スペキュレーターの参加比率が上がり、マーケットが動きやすくなっているため、従来より、上昇にしろ、下落にしろ、マーケット全体が加速されるのだ。これはCFTC(Commodity Futures Trading Commission)の建玉明細を見ればよく分かる。現在、スペキュレーターはショートポジションとなっているが昨年はロングだった。短期のうちにポジションをロングからショートに変えたのでマーケットの下落圧力が増大されたのだ。この建玉明細は一週間遅れの発表なので後追いしか出来ないが、事前に予想を立ててマーケットを見ていると自分の相場観が当たっていたのかどうか一週間後には分かる。

また、商社の人が新聞で発言していたが、78㌦を付けたときは「実態50 + 長期投資20  + スペキュレーション10㌦」、今は「実態40 + 長期投資20 - スペキュレーション10㌦」だそうだ。その正確性は別としてスペキュレーターの動きが価格変化に大きなインパクトを与えているという点は見逃せない。

次に資金シフトが起こっているかどうかだが、商品投資の世界ではいつも起こっているといってよい。20033月のイラク戦争前は原油が高騰し当時39㌦まで上昇した。また、有事の金だといって金価格も上昇した。しかしいざ開戦となると一気に価格は下落したのだ。これは1つのニュースから次の展開が読みやすいからかもしれない。

また、最近では原油高に伴い代替エネルギーとしてエタノールが注目を集め、その原料となるトウモロコシと粗糖が暴騰した。市場参加者はその時々によって儲かる商品を探しているので儲かるものなら何にでも投資するのだ。

更に、株と違って上場銘柄数が少ないので市場参加者はほぼすべての銘柄を同時に観察することが出来る。これも1つの理由だ。株だと上場銘柄が多く、情報の非対称性が生まれやすい。しかし、商品に関しては、上場銘柄が少ないので情報がすぐに行き渡る。その結果大きな動きとなり一般の人々の目にもつきやすく更にそういった人達が市場に参加して、上昇・下落の動きを助長しているのだ。

p.s

下落時の加速分が戻されて現在は55㌦付近ですね。基本的には50㌦前後が底で50㌦~60㌦辺りで行ったり来たりの相場だと思います。ただし、イランを含む中東問題が顕著化すれば大きく動くでしょう。だから皆下がりすぎるのが恐いのです。といいながら在庫も多いので少し上昇すると利食いが入りやすくなっています。今はそんな投資家心理をマーケットが反映していると思います。

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コメント

よしみつさんがおっしゃっていることも間違いではないと思います。それぞれの要因が影響しあっているので、これだけが原因ですということはないと思います。個人的に重要だと思っているのは、商品だけ、株だけ、債券だけ、金利だけというのではなく、全体の関わり合い、資金シフトを捉えることだと思っています。

投稿: alternativetimes | 2007年1月27日 (土) 01時10分

どうもありがとうございます。
在庫が起因で下落して、あわてて損切りに走った方が多かったのですね。
私は日銀政策とか、G7がらみとかイラン戦争とか考えていました。
仕込み時のサインと考えたほうがよさそうです。

投稿: よしみつ | 2007年1月26日 (金) 13時11分

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